院長ログ

炭水化物の割合は50-55%が最も長生き

昨年発表された論文で、ぎょっとするものがありました。それはPURE研究の論文(Lancet 2017)で、「炭水化物の摂取が多くなると死亡が増える」と結論されていました。

しかしよく読みますと、死亡が増えるのはかなりの高炭水化物食で、全カロリーの60%以上が炭水化物の場合でした。死亡が最も少なかったのは炭水化物が50%台の食事でした。

この8月に欧州心臓病学会が開かれました。その学会でPURE研究の最も健康的な炭水化物の割合(PURE Healthy Diet Score)が発表され、その値は54.0%でした。日本の糖尿病食の推奨割合は50-60%ですので、長寿食と言えそうです。

同じくこの8月にARIC研究が発表されました(Lancet 2018)。ARIC研究は米国の4つのコホート(研究対象集団)で行われた研究で、15,428人(45–64歳)を25年間観察し、6,283人が亡くなられています。

ARIC研究でも「炭水化物 50-55%」の人が最も死亡が少ないという結果がでました。PURE研究と合わせて検討していますが、2つの研究の死亡曲線はきれいに重なります。炭水化物の割合が40%未満(リスク1.20)、あるいは70%以上(リスク1.23)は死亡が増えるため避けた方が良さそうです

低炭水化物食にするとどうしても動物性食品が増えます。この状況が良くないようです。どうしても炭水化物を減らしたいなら、減らした分を野菜、ナッツ、ピーナッツバター、全粒パンなど植物由来の蛋白や脂肪で補って下さい。植物性食品を増やした低炭水化物食では死亡が増えません(リスク0.82)。


平成30年9月8日

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